- 今週の注目材料
BOE政策決定会合
政策金利・QE共に据え置き予想ですが、ホールデン委員が退任しているので8名の票の行方に注目です。これまでの発言からすると政策金利は8-0で据え置き、QEはソーンダース委員は反対すると思いますが、ラムズデン副総裁がどう出るかに注目です。市場の織り込みからすると、6-2で据え置きだと多少GBPは買われると思われます。ただ、デルタ変異株の影響や雇用サポートが切れた後の状況が不透明ななかでは、慌てて引き締めることはなく、声明文はハト派スタンスを維持すると思われます。
一方で、直近のCPIは前年比+2.5%とBOEのターゲットと見通しを超えていますし、Q2の成長率もBOEの予想を上回っていることから、声明文がタカ派シフトするようであれば、もう一段GBPが買われるかもしれません。
米雇用統計
非農業部門雇用者数は100万人弱、失業率も5.6%程度に改善とかなり強め予想となっています。全米50州のうち25州で7月上旬までに失業給付の上乗せ措置が終了していることを考慮しているのでしょう。ブレイナード理事の発言もあり、9月頃にデータが出そろうということで、もう少し様子見の期間は継続すると思われることから、今回の結果でトレンドが出るとは思えません。未だにコロナショック前と比較して600万人程度の雇用減が続いている状況ですから、8月と9月に連続で100万人を越える数字が出て初めて9月のFOMCでのテーパリング開始宣言の可能性が出てくると思います。ただ、現時点でかなり金利は低下している状況なので、テーパリング期待が生まれた程度でも、若干の金利上昇・USD買いの反応はあると思います。本格的に金利が上昇しUSD買いになるのは、2023年半ばの利上げ織り込みが前倒しになるような経済指標が続いたり、テーパリングプランが予想より早く終了することが分かった時だと思います。
また、細かい内容でいうと、半導体を中心としたサプライチェーン問題がどの程度回復しているのかを確認したいです。この関連産業の雇用が回復しているようなら、今後インフレが落ち着いてくる可能性が高まり、ゴルディロックス相場となることが予想されます。
流れとしましては、金曜日までは期待感でUSD買い、失望もしくはSell the factで金曜日からUSD売り。
RBA政策決定会合
前回の会合でQEの調整は11月に行うと表明していることから、今回は全て据え置き予想となっています。しかし、RBAの予想レンジの下限にも届いていないCPIが発表になった後の会合だけに、インフレについてどのような認識を持っているのか確認しておきたいところです。
米中が揉めているので、余程RBAがタカ派にならない限りは、ショートキープ。