- 今週の注目材料
FOMC
ポイントは「インフレは一時的」という解釈が変わっているのかどうかということと、DOTSチャートで利上げ開始時期がどのようになっているかです。インフレに関しては、データが出そろっていないことから解釈が変わる可能性は非常に低いと考えます。となると、DOTSも変更なしの可能性の方が高いと思いますが、現時点の数字から判断するのであれば、若干の前倒しリスクはあると思います。前回3月のDOTSは18名中4名が2022年中の、18名中7名が2023年末までの利上げを見込んでいましたが、2023年まで金利据え置きを見込む11名メンバーから、3名が利上げ見通しに転じるだけで、利上げ派が大勢になる状況です。ただ、そこまで利上げ派が増えるとは思えません。もし2名利上げ派が増えて2023年が9-9となった場合、多少USD買いが進むかもしれませんが、それまで期待されていたUSDロングが既にあることから、USD売り再開の展開となるでしょう。
マーケットは先週のCPIの後、米債ショートの解消を迫られて金利低下しましたが、為替市場ではそこまでUSDショートが溜まっているというような値動きには見えませんでした。むしろ、FOMCに向けて若干USD買い圧力が強まり、FOMCでハト派維持が確認できれば再びUSD売り再開という展開を予想します。なぜなら、金利市場では2023年6月利上げが織り込み済みなので、2023年が9-9で均衡したとしても、予想通りだからです。
2-3. 日米金利差とドル円
今年年始から3月末まで米金利が1%から1.75%まで急上昇する局面では、ドル円も米金利に連動し103円から110円ミドルまで上昇しました。しかし、4月から徐々に米金利が低下を始め、先週米金利が急低下したことで日米金利差は1.42%程度になっています。ドル円が金利に連動するのであれば少なくとも107円台前半まで下がっていてもおかしくありません。実際にIMMのポジションを見ていても、6月に入ってから円ショートが一気に減ってきており、USDJPYの売り圧力は強まっていると思われます。たしかに、110円近辺から上に上がらないという印象は強いですが、109円近辺での底堅さも異常です。IMMには表れない投機筋が将来的な日米金利差拡大を予想してドル円を買っているか、もしくは日本の機関投資家が円安を見越して米債をオープンで買いに来ているといったことから、ドル円は底堅くなっていると思われます。
また、米金利が低下する時には株が底堅く推移することからドル円は下がりにくく、今後米金利が発射台の1.6%台に戻るとしても、株の下押し圧力はないことから、もし108円近辺まで下がることがあれば、押し目買いのチャンスと考えます。